11:48 午後 | Posted in ,

ハンドルが右6回転した夜、すべての悪夢のはじまりだった。

ここ数ヶ月で、2度のタイヤ爆発事件を起こすなど、悪夢の前兆をみせていた2号。
長期にわたる僕の日本滞在中は、ハマちゃんの管理下にあったわけですが、
プーケットに戻ってきて調子はどうだ?と尋ねたところ

《いままでになく調子はいいです!ハンドルなんてパワステ並ですよ!》とのこと。 そんなわけないだろぉ~まじで?と心に疑問を抱きながらハンドルを握ってみる。確かに軽い。
しかし走り始めて、すぐにその異常さに気が付く。
軽いっていうよりは、ハンドルの遊びが帰国前に比べてあきらかに大きくなっていた。
その遊びの程度はハンドル3/4回転・・・・・記憶が正しければ帰国前の遊びは1/4程度だったはず。
《お前、なにがパワステじゃ! こんな遊びが多くてどないすんねん!アホか死ぬぞ!!》と、
ボートの舵なみにクルクル動く、異常なハンドル遊びに戸惑いながらたき付けると、
《そうですか?前からこんなもんでしたよ?》と平然と言ってのけるハマちゃん。
長いタイ生活、狂った運転生活にマヒしてしまったのか、正気とは思えない発言。
さらに《日本の車が快適だったから、そう感じるんですよ》とまでいってのける
確かにAT&パワステ生活を2ヶ月過ごしていたわけだ。
ひさびさのMT&重ステハンドル、狂った荒馬のような我らが2号の走りに
《俺の感覚、技術が鈍ってしまったのか?》と自身を疑った。いや、明らかにおかしい。
そもそもハンドルが3/4も遊びがあるなんて・・・異常だ。

が、走りはじめて3分と立たないうちに、我に返る。やはりおかしい!
それだけじゃない、車の振動、タイヤの安定性、路面への感触、どれをとってもすべてがおかしい。
《お前まじでいってんのか? やばいぞ、この車。死ぬぞ、まじで》
そんな不安と恐怖を感じながらも、お盆に突入して仕事に追われる毎日がはじまる。

調子が悪いもの、ハンドルの遊びにも慣れてきて、
車内会話が不可能なほど激しいエンジン騒音も気にならなくなっていた。
買い物にでかけて、少しタイヤのゆがみを感じたもの、そのくらいはマイペンライ。
もともと高速運転に耐えれる車ではない。時速60キロキープなら問題ないだろうと、読む。

事件は帰国から5日目の夜、8月15日に起こった。
朝からトラブル続きだった、あの夜。
仕事を終えて、食事をしに山を越えてチャロン湾まででかける。
山越えの途中、いつもと少し違うハンドル感覚に気づく。
バランスが悪い、明らかにカタカタとハンドルシャフトから音がする。
《まじ、やばいなぁ~ そろそろやばいよ。早く売っちゃわないと》
山を越えて、くだりに入って少しスピードをあげて直線にはいった瞬間、
カタカタカタカタという音と共に、車体が振られる感覚を覚える。
おいおい・・・嫌な予感にブレーキを踏んで、減速。
時速30キロくらいに減速したところ、音も消えて、車は再び安定感を取り戻す。
《やばいよ、まじで、まじで。低速キープしないと、やばいかも》
とりあえず目的地のスーパーに無事到着。
猫のご飯を購入して、50M先の食堂に車を移動させようと、
エンジンをかけ車線に戻るために大きくハンドルを右にきった瞬間。

ぐぐぐぐぐぅ~ガックン

《あれ?》 沈黙・・・・

《なんか嫌な音せえへんかった?》 《うん》隣でミサ笑ってる。


たしかにハンドルを3/4切ってみたものの、いっこうに車体が右に切れない。
軽くアクセルを踏んでみる。かすかに右に振れているもの、あきらかにほぼ直進。

《まさか~》

この時点で、起こった現実を受け入れる心の準備はできていない。
いったん左に軽くハンドル戻して、気を取り直して右へよいしょ。

クルクルクルクルクルクル 1,2,3,4,5,6回転?
6回転でどないなっとんねん!


何が起こったのか? 受け入れたくないが、受け入れざる得ない状況に直面。
嘘だと思いたい。窓を開けてタイヤを目視しながら、ハンドルを左に戻してみる。
今度は左にクルクルクルクル~タイヤが動く気配はなし・・・・
もういちど右にクルクルクル~片手1本でまさにパワステ感覚で・・・・
タイヤはうんともすんとも動かない。

《ハ・ン・ド・ル 折れた???》


続く・・・

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